防災

土のうは意味ない?正しい使い方を学び、使える土のうを知ろう!

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土のうは使えない?

というワードをよく見かけますが、土のうは正しく使えば水の侵入を防ぐ最強アイテムです!

歴史からみても、風化せず長年使われてきたことが証明してくれます。

「土のう」は従来、災害復旧等の仮設材として広く用いられてました。 土のうの歴史は古く、西暦 1600 年代の大阪城三の丸の堀の通路跡からも出土 しています。 この通路は、瓦と土のうを積んだ上に 板を敷いてあり、堀を横断する目的でつくられたよ うです。このように、土のうの歴史は、はるか数百年前にさかのぼります。

昭和土木設計

この記事は、私(防災士)が会社の防災担当として企業防災で経験した、土のうについてや水で膨らむ土のうを実際買って試したり、従業員へ教育した内容を書いていきます。

この記事を見れば、土のうの正しい使い方耐久年数保存方法水で膨らむ土のうのヒミツこれと一緒に使えば効率よく水の侵入を防げるなどを知ることが出来ます。

それでは、さっそく見ていきましょう。

【メイン目次】

土のうの正しい使い方

土のうを並べたり積んだりすることで、以下のことが出来ます。

・家や建物の出入口からの水の侵入を防ぐ
・壁を作り水を誘導できる
・排水路からの水のあふれを止める

土のうは、個人ができる水害対策の一つ

そして、土のうを使うときは、「正しい使い方=正しい積み方」と言っていいほど、正しく積むことがポイント!

土のうの積み方も見ていきましょう。

土のうの正しい積み方

一言で表すと

土のうの正しい積み方は、「すきまなく台形に積んでいく」!

下はダメな例↓↓

ダメな点
・隙間がある
・重ねている部分も雑に置かれているので隙間がある
・袋の土の量がまちまちで扱いずらい

これでは、土のうの効果が半減以下!

正しい積み方が、出来ていないことで・・・結果、「土のうは使えない」という判断をしてしまっている。

「すきまなく台形に積んでいく」という積み方は、災害対策のプロである自衛隊でも実際に使われているやり方です。

【自衛隊】土のうの正しい積み方/画像

土のう袋は裏返す
自衛隊LIFEHACK
自衛隊LIFEHACK
自衛隊LIFEHACK

映像が見やすい人に向けて、動画でも紹介されています。

【自衛隊】土のうの正しい積み方/動画

自衛隊LIFEHACK
自衛隊LIFEHACK

土のうを積む方向

土のうを積む場合、水の流れてくる方向に、土のう袋のお尻を向けて積み上げましょう。

土のう袋の口が、水流が当たる方向だと、中の砂や土が流れ出してしまいます。

家だと、家の方向に袋の口がくるように積みます。

土のうの重さ

袋詰め量 重さ
土のう袋6割程度 約22Kg
土のう袋7割程度 約26Kg
土のう袋8割程度 約30Kg

自衛隊の画像説明にもあるように、土のう袋に砂を多く入れすぎると、1袋の重さも重くなります。

いざ使う時に、重たくて運べない。体力を奪われてしまう。といったことになるので、土のう袋に入れる砂の割合は、6~7割程度にしましょう。

土のうの耐久年数

土のうは、袋がすぐ破けるイメージという意見をよく聞きます。

メーカーの耐久年数が書いてある袋もありますが、大抵の土のう袋は耐久年数が書かれていません。

そこで、私の企業で使用している土のうで実験してみました。

使うのは、縦60cm×横50cmの
・土のう(白)
・土のう(UV白)
・土のう(UV黒)

これら3つを比べてみました。
直射日光が当たる場所に置いた結果・・・

土のう(白)は1年で破け、土のう(UV白)は2年ほどで破け、土のう(UV黒)は3年過ぎたくらいで破けました。

これらより、私たちの会社では、白の土のうは1年、UVカットした白土のうは2年、UVカットした黒土のうは3年と考えています。
※耐久年数は、気候により異なります。

土のう袋

ウイングエース ブルーラインの白土のうは、1年で破けてしまいましたが何より安いことがメリット

安いので、1年ごとに袋の上から新しい袋を被せています。
新しい土のう袋に土を入れるよりも効率的に、新品土のうが出来るので皆さんも一度試して見てください。

土のうの保管方法

土のう袋は、やはり太陽の紫外線によって劣化するので、その紫外線を極力当たらないようにする必要があります。

【保管する方法】
・屋内保管
・太陽が直接当たらないような日陰になる場所で保管
・紫外線(UV)を防ぐシートを被せる
・ブルーシートを被せる

自治体の保管方法もシートで覆って、直接紫外線が当たらないようにされています。

各自治体の土のうステーション
各自治体の土のうステーション/中身

災害はいつ起こるか分からないので、いざ使おうとしたときに袋が破けていたなんてことがないよう、劣化を防ぐ方法を取りつつ、台風シーズンの前など定期的にチェックするようにしましょう。

グリーンシート/ブルーシート

特殊な形や専用のシート、ジッパー付きシートを考えている人は、様々な「屋外対応養生シートカバー」を制作してくれる会社があります。
下に貼っておくので覗いてみてください↓↓

屋外対応養生シートカバー パレット・野積みシリーズ PEクロスシート#3000 ブルーシート 既製サイズ 約0.9mWx0.9mDx1.2mH 標準仕様 1枚単品 JQ価格:6,127円
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土のうに適した中身は砂?土?

土のうの中身は、土より砂の方が良いです。
土だと使用後、水と一緒に土がにじみ出てくることがあります。

おすすめは、山砂、川砂、バラス(砂利)、ジャミなど
ホームセンターなどでも売っているので、一度覗いてみてはどうでしょう。

しかし、私もお金をかけずに作りたいと思うので、家にある土でも問題はないです。でも、間違っても泥は入れないようにしましょう。袋からにじみ出るので。

土のうをつくる道具

土のうをつくる道具
土のう袋
ブルーシート(砂の下に敷く用)
・スコップ
・土のうスタンド(数多く土のうをつくる場合)

これら道具を使って、土のう袋に砂を6~7割程度入れましょう!

土のう袋は裏返す

私は会社で災害を経験しました。
その時、従業員で集まって土のうを5,000袋作りました。

経験から、早く気づけば良かったなという点を言うと・・・袋を持つ人と砂を入れる人で1つ作るために2人かかりで作っていました。とても時間がかかっていました。

そこで、砂を入れる道具を準備し、一人で作業できるようになってから、作業が格段に速くなり気分も上がっていったのを覚えています。

なので、土のうを数多く作るときは作業効率を考えて、最初から土のうスタンドを準備しましょう。

土のう×ブルーシートの組み合わせが止水に最適

水害時や準備をしているときに、もし「土のうが足りない」と思ったらブルーシートを使いましょう!

ブルーシートをドアいっぱいに広げて、土のうで重し替わりにします。
そうすると、ブルーシートは防水なので水を通さず、土のうの重みで地面とドアに密着しているので、隙間から流れてくることも防げます!

土のうを準備しようとしている人は、土のう×ブルーシートのセットで備えることをおすすめします。

水で膨らむ土のうはいらない

・土がいらない
・持ち運びに便利
・保管に場所を取らない
・すぐ膨らみ土のうの代わりになる

というメリットが紹介されていますが、私も実際、会社で購入して使ってみましたが・・・使えません!

というのも、土のうの代わりで側溝をせき止めようとしたが、重量が無いので水と一緒に流れていきます。
水の流れを変えようとして、並べて上にも重ねて使いましたが、ズレて使えませんでした。
また、水害は1回で終わればいいが、梅雨時期は何度も大雨が降るので、1回使い切りの膨らむ土のうは、現場では不向きです。

上のような商品を、非常用で買おうと思っている人は、一度立ち止まって色んな人の意見を聞いてからにしてください。実際に使った人の話が効ければ一番良いです。

私は、水で膨らむポリマータイプの土のうではなく、砂を入れる土のうを勧めます!

まとめ

一.土のうの正しい使い方/積み方
二.水で膨らむ土のうはいらない

この2つについてをメインに、土のうの耐久年数、重さ、保管方法などを紹介してきました。

災害を考え、備えただけでは意味がありません。
実際に災害時使える道具を備え、使う知識を身につけておくことが大切です。

とは言っても、かしこまらず!難しく考えず!たのしく!防災減災のため、コツコツ準備を進めていきましょう。

一緒に頑張りましょう!

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