更新日:2020年8月25日
連日ニュースで取り上げられているジーソミア(GSOMIA)について簡単に簡潔に解説していきます
目次
- ジーソミアとは
- ジーソミアの効果は?
- なぜ韓国は破棄に踏み切ったの?
- 今後どうなるの?
- 他の国はジーソミア破棄をどう報じた?
- 他の国とも安全協定は結んでる?
1.ジーソミア(GSOMIA)とは
日本語では「軍事情報包括保護協定」と言います
2016年11月23日に韓国は朴槿恵(パククネ)政権時代に協定を結びました
有効期限は1年間で、問題がなければ自動延長されます
そして今回も2020年8月25日午前0時(日本時間同)が通告期限日(自動延長かどうか)となっていました
内容は、自国の安全保障にとって脅威となる国やテロなどの軍事情報をお互い共有したり、お互いの強化を目的にします
さらに、協定の相手国と共有した情報を他の国や組織に漏らされないようにするための約束がジーソミアです
つまり、お互いの安全保障について協力しましょう
という約束の協定書です
2.ジーソミアの効果は?
日韓ジーソミアで共有された情報の実績として
北朝鮮の核・ミサイル情報が含まれていたとされる件数
- 2016年 1件
- 2017年 19件
- 2018年 2件
- 2019年 7件(8/16まで)
こんなにもあるとされています
実際表に出てきていない情報は不明なので細部まではわかりませんが、日米韓と中国、北朝鮮などの国に大きな変化がありそうですね
日本から韓国への情報は、衛星情報や北朝鮮のミサイル分析情報を提供していました
3.なぜ韓国は破棄に踏み切ったの?
以前からの日韓の民族主義的な対立を根源にはあるかもしれないが、日本が8月2日輸出手続き簡略化の優遇措置を受けられる「グループA(ホワイト国)」から韓国を除外する政令改正を閣議決定したことをあげ
「両国間の安保協力環境に重大な変化をもたらしたと評価した」
「このような状況で、安保上敏感な軍事情報交流を目的に締結した協定を持続させることは、韓国の国益に合致しないと判断した」
と語ったことから韓国をホワイト国から除外した政治的内容から今回の安全保障まで発展したと考えられている
4.今後どうなるの?
・ジーソミア破棄となるとこれまで共有された29件の情報が以前のルートになりアメリカを介して今まで通り伝われば良いですが、情報内容の縮小や情報伝達の遅れなどに影響があるかもしれません
・中国や北朝鮮に関しても日米韓で対応が可能だったものが力が弱まったと感じさせるかもしれません
・作戦や情報が日本と韓国で協定がないと情報開示と情報を漏らさないという決まりが無いので、日米韓の連携が取れず軍事練習も実現できないかもしれない
・北朝鮮のミサイル情報が遅れることになる
5.他の国はジーソミア破棄をどう報じた?
マイク・ポンぺオ国務長官(アメリカ) 「韓国の決定に失望した」
防総省のイーストバーン報道官(アメリカ) 「文在寅政権がGSOMIA更新を行わなかったことについて、強い懸念と失望を表明する」「日韓関係においては、ほかの分野で摩擦があるにしても、防衛と安全保障における相互協力は完全であり続けなければならないと強く信じている」
ワシントンポスト(アメリカ) 韓国の決断について「貿易と歴史問題をめぐる対立を大幅にエスカレートさせた」「最大の敗者は韓国で、最大の勝者はおそらく北朝鮮だ」
ニューヨークタイムズ(アメリカ) 「日韓の緊張を劇的に増大させ、アメリカの東アジア地域におけるリーダーシップの低下を強調する動きだ」
中央日報(韓国) 「北朝鮮がミサイルを発射すれば、北朝鮮と近い韓国は発射と上昇ポイントを捕捉するのは有利だが、領海を集中的に監視する日本は、下降ポイントと着弾点を識別するのに有利。GSOMIAにはこのような相乗効果がある」
6.他の国とも協定は結んでる?
日本は他の国とも軍事同盟・協定を結んでいます
北大西洋条約機構(きたたいせいようじょうやくきこう)
北大西洋条約に基づき、1949年4月にアメリカ合衆国を中心とした北アメリカ(=アメリカとカナダ)およびヨーロッパ諸国によって結成された軍事同盟
日本ではNATO(ナトー)と呼んでいる
日米安全保障条約
1960年(昭和35年)1月に、ワシントンD.C.で日本とアメリカ間で締結された
日独伊三国同盟
日本、ドイツ、イタリアの軍事同盟。1940年(昭和15年)9月に締結された
以上のような同盟が結ばれています
今後の関係性について緊張が続きますが、これ以上発展しないことを国民としては望みます
それでは、また
ジーソミア継続決定!
ジーソミアの効力は1年間で、毎年更新日の90日前までに日韓のいずれかから破棄通告がなければ自動更新される。
2020年8月25日午前0時(日本時間同)に破棄通告が無かったので、自動継続されました。
しかし、韓国側は通告期限にかかわらず「いつでも終了できる」と破棄を警告している・・・
【過去記録】韓国政府は2019年11月22日
日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIAジーソミア)を失効まで6時間後に控えた土壇場で継続すると判断しました
とりあえず、北東アジアの安全保障をめぐる日米韓3カ国連携のGSOMIAは当面維持されるので少し安心です
ジーソミア次回の終了通告期限はいつ?
次回は2020年11月23日午前0時に更新予定です。
日韓関係は良いとは言えない状態が続いているので注視していきましょう