「天気予報で風速20メートルの非常に強い風が吹きます」と言われてもピンとこないですよね?また、強い風でトラックが横転する映像とかを見ますが、そのときの風速は何メートルなのか知りたいなと思ってしまいます
そんな同じよな悩みを持っている人に、風の強さについてイメージしてもらえるよう「風の強さ」を比較してまとめました
この記事で表現している言葉や基準は、気象庁の言葉や基準を参考にしているので記事の信頼性は確かです
それではさっそく見ていきましょう
【目次】
・ことば表現(風の強さと影響)
・やや強い風 10m/s
・強い風 15m/s
・非常に強い風 20m/s
・非常に強い風 25m/s
・猛烈な風 30m/s
・猛烈な風 35m/s
・猛烈な風 40m/s以上
・気象情報について知ってもらいたいこと
・【番外編】雨の強さ比較
・まとめ
ことば表現(風の強さと影響)
縦軸に
・風の強さ
・平均風速(m/s)
横軸に
・時速
・速さの目安
・人への影響
・屋外、樹木の様子
・走行中の車
・建造物
・瞬間風速
こんな感じでまとめました。
一覧で見たら比較も出来て、イメージしやすいですね
この表の注意点:
・平均風速は10分間の平均、瞬間風速は3秒間の平均
・ある風速が観測されたときに、通常発生する現象や被害を記述しているので、これより大きな被害が発生したり、逆に被害が小さくとどまる場合もある
・人や物への影響は、日本風工学会の「瞬間風速と人や街の様子との関係」を参考にしている
もう少し細かく見ていきましょう
やや強い風 10m/s
時速:50Km/h
速さ:一般道路の自動車
人への影響:風に向かって歩きにくくなる。かさがさせない
屋外、樹木の様子:樹木全体が揺れ始める。電線が揺れ始める
走行中の車:道路の吹き流し角度が水平になり、高速運転中では横風に流される感覚になる
建造物:樋(とい)が揺れ始める
瞬間風速:20m/s
動画で見てみよう↓↓
強い風 15m/s
時速:70Km/h
速さ:一般道路又は高速道路の自動車
人への影響:風に向かって歩けなくなり、転倒する人も出る。高所での作業は極めて危険
屋外、樹木の様子:電線が鳴り始める。看板やトタン板が外れ始める
走行中の車:高速運転中では横風に流される感覚が大きくなる
建造物:屋根瓦、屋根藁材がはがれるものがある。雨戸やシャッターが揺れる
瞬間風速:30m/s
動画で見てみよう↓↓
非常に強い風 20m/s
時速:90Km/h
速さ:高速道路の自動車
人への影響:何かにつかまっていないと立ってられない。飛来物によって負傷するおそれがある
屋外、樹木の様子:細い木の幹が折れたり、根の張っていない気が倒れ始める。看板が落下・飛散する。道路標識が傾く
走行中の車:通常の速度で運転することが困難になる
建造物:屋根瓦、屋根藁材は飛散するものがある。固定されていないプレハブ小屋が移動、転倒する。ビニールハウス小屋のフィルム(被覆材)が広範囲に破れる
瞬間風速:40m/s
非常に強い風 25m/s
時速:110Km/h
速さ:特急列車
人への影響:屋外での行動は極めて危険
屋外、樹木の様子:細い木の幹が折れたり、根の張っていない気が倒れ始める。看板が落下・飛散する。道路標識が傾く
走行中の車:走行中のトラックが横転する
建造物:固定の不十分な金属屋根の藁材がめくれる。養生不十分な仮設足場が崩落する
瞬間風速:40m/s
猛烈な風 30m/s
時速:125Km/h
速さ:特急列車
人への影響:屋外での行動は極めて危険
屋外、樹木の様子:細い木の幹が折れたり、根の張っていない気が倒れ始める。看板が落下・飛散する。道路標識が傾く
走行中の車:走行中のトラックが横転する
建造物:固定の不十分な金属屋根の藁材がめくれる。養生不十分な仮設足場が崩落する
瞬間風速:50m/s
動画で見ていきましょう↓↓
猛烈な風 35m/s
時速:140Km/h
速さ:特急列車
人への影響:屋外での行動は極めて危険
屋外、樹木の様子:多くの樹木が倒れる。電柱や街灯で倒れるものがある。ブロック塀で倒壊するものがある
走行中の車:走行中のトラックが横転する
建造物:外装材が広範囲にわったて飛散し、下地材が露出するものがある
瞬間風速:60m/s
猛烈な風 40m/s以上
時速:140Km/h以上
速さ:特急列車
人への影響:屋外での行動は極めて危険
屋外、樹木の様子:多くの樹木が倒れる。電柱や街灯で倒れるものがある。ブロック塀で倒壊するものがある
走行中の車:走行中のトラックが横転する
建造物:住家で倒壊するものがある。鉄骨構造物で変形するものがある
瞬間風速:60m/s
風速80メートルの実験動画↓↓
気象情報について知ってもらいたいこと
強風によって災害が起こるおそれがあるときは強風注意報を、暴風によって重大な災害が発生するおそれがあるときは暴風警報を、さらに重大な災害が起こるおそれが著しく大きいときは暴風特別警報を発表して警戒や注意を呼びかける
なお、警報や注意報の基準は地域によって異なる
自分の住んでいる地域の強風注意報や暴風警報の基準を知りたい方は、気象庁のホームページで調べることができるので下にリンクを貼っておきます↓↓
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kijun/index.html
風の吹き方は絶えず強弱の変動はあります。瞬間風速は平均風速の1.5倍程度になることが多いが、大気の状態が不安定な場合は3倍以上になることもある
風速は地形や周りの建物などに影響されるので、その場所での風速は近くにある観測所の値と大きく異なることがある
風速が同じであっても、対象となる建物、構造物の状態や風の吹き方によって被害は異なります
【番外編】雨の強さ比較
台風シーズン到来として風の強さ比較を見てきましたが、台風は雨も降ります
雨の強さ比較も載せておくので気になる方は、ご覧ください
こちらも、図で表しているのでサクッと見れます
まとめ
風速の数字で被害が想像できるようになると、避難行動が早くなり災害から身を守ることができます
これから、台風シーズンになるので家族みんなでシェアして「家族で防災教育」をやってみるのも有りです
最後に一つだけ・・・自然災害は地形や建物、時間などのあらゆる影響を受けて変化します。「安全は無い」のと一緒で、防災も「これをやれば大丈夫」というものはありません。
事前の準備がとても大切だと知ってください
それでは、またお会いしましょう